「高いヘアアイロンと安いヘアアイロンって、髪の傷みは変わるの?」
「結局は温度が全てじゃないの?」
お客様からもSNSでも、とても多い質問です。
結論から言うと、髪が傷むかどうかの最大要因は“温度と使い方”です。
ただし、価格差には温度精度・熱ムラ・プレート品質・摩擦の少なさなどが大きく影響し、同じ温度設定でも実際のダメージ量に違いが出ることがあるのも事実です。
この記事では、毛髪診断士・美容師としての専門視点で、忖度一切なしで「価格差による本当の違い」「髪が傷む仕組み」「どんな人がどんなヘアアイロンを選ぶべきか」まで分かりやすく解説します。
途中で、関連する専門記事への内部リンクも設置しているので、より深く学びたい方にも役立ちます。
高いヘアアイロンと安いヘアアイロンで“髪の傷み”は変わるのか?

結論:温度と使用方法が最も重要。
ただし、価格の高さは“温度の正確性・熱ムラの少なさ・摩擦の少なさ”に直結し、結果的にダメージ差が出やすい。
高価格帯ヘアアイロンは、
表示温度と実際の温度のズレが少ない
プレート全体の温度が均一
滑りが良く摩擦ダメージが少ない
一度で整いやすいため往復回数を減らせる
という特徴があります。
逆に安価なヘアアイロンは、
実温が高くなりすぎたり、低すぎたりする
部位によって温度差(熱ムラ)が出やすい
プレート表面が粗く、髪が引っかかる
同じ仕上がりに何度も通す必要がある
…といった理由から、使い方が同じなら、高価格帯の方が髪に優しい傾向が強いと言えます。
髪が熱で傷むメカニズムを簡単に解説

髪は主に ケラチンタンパク でできており、熱に弱い性質があります。
ダメージの主な要因は3つ:
タンパク質の変性
→ 180℃前後から急激にダメージが進む。内部水分の急激な蒸発
→ 髪内部が空洞化し、パサつきの原因に。キューティクルの損傷
→ 摩擦+過熱で剥がれやすくなる。
つまり、同じ“180℃設定”でも、
実温が200℃になってしまう安価機
実温が180℃で安定している高価機
では、ダメージ量は明確に変わります。
価格によって具体的に何が違うのか?忖度なしで解説

① 温度の正確性(精度)
高価格帯: 表示温度±5℃以内
低価格帯: ±20℃以上ズレることも
→ 実温が高ければ髪は当然傷む。
→ 温度の安定性はダメージ管理に直結。
② 熱ムラの少なさ・ヒーター品質
高価格帯はプレート全体が均一に温まる設計。
安価品は端が熱く、中央は温度が落ちるなどムラが出やすい。
→ 局所的な“過熱ポイント”が最も危険。
③ プレートの滑り・コーティング品質
高価格帯の特徴:
鏡面仕上げ
摩擦が少なく1回でスッと通る
髪が引っかからない
安価品の特徴:
表面加工が甘い
髪が引っかかり摩擦熱が増える
毎回ガリガリして枝毛の原因に
④ 温度調整段階の細かさ
高級:5℃〜10℃刻み
安価:低・中・高の三段階もしくは大まかな設定
→ 繊細な髪は「低すぎず高すぎない」温度が重要。
⑤ 耐久性・安全性
温度が暴走しない保護設計
立ち上がりが速く時間短縮
故障による温度上昇事故が少ない
→ 髪のためだけでなく“安心のため”にも重要。
高いヘアアイロン・安いヘアアイロンのメリット・デメリットまとめ

【高価格帯ヘアアイロンのメリット】
温度精度が高い
熱ムラが少ない
滑りが良く摩擦ダメージが少ない
一回通しで決まりやすい(時短)
長期間性能が落ちにくい
【高価格帯ヘアアイロンのデメリット】
初期コストが高い
多機能ゆえにやや操作が複雑な場合も
【安価ヘアアイロンのメリット】
手軽に買える
シンプル操作で分かりやすい
【安価ヘアアイロンのデメリット】
実温が高めになりがち
熱ムラで仕上がりに差
同じ仕上がりに往復回数が増える=ダメージも増
プレートの摩擦が大きい
寿命が短い傾向
髪質別:おすすめ温度ガイドライン

※あくまで毛髪診断士としての基準値
細毛・エイジング毛・カラー毛:120〜150℃
普通毛:150〜170℃
硬毛・強いクセ:170〜200℃
→ まずは低温から試し、
「最小限で綺麗に仕上がる温度」=最適温度です。
この辺りは、当店で解説している
👉 「ヘアアイロン最適温度は何度?間違った温度は髪のダメージの原因に!」
をご覧いただくとより詳しく理解できます。
実際に美髪を守るための“現場的アドバイス”

① 必ず髪を完全に乾かす
濡れ髪に高温アイロンは最悪。
(参考)
👉 「美髪の秘密は乾かし方だった!手触りやおさまりが変わる乾かし方」
② 一番大事なのは“ワンパス”
何度も同じ場所を往復しない。
低価格帯の場合は往復回数が増えやすくダメージ増。
③ ヒートプロテクト剂を使用
髪表面をコーティングし表面温度を緩和。
👉 「耐熱オイルと普通のヘアオイルの違い|どっちを使うべき?美容師が専門的に解説」
④ プレート掃除を定期的に
スタイリング剤が焼けて付着すると、
温度ムラ+摩擦増=ダメージ増につながる。
どんな人が“高価格帯ヘアアイロン”を選ぶべき?

以下の方は投資価値が高いです。
髪が細い・ダメージ毛で熱に弱い
毎日ヘアアイロンを使う
カラーやブリーチを継続している
仕上がりの艶やまとまりにこだわる
短時間で綺麗に仕上げたい
毛先のパサつき・枝毛が気になる
逆に、
月に数回しか使わない
仕上がりの質にこだわりすぎない
…という方はミドル価格帯(8,000〜15,000円)でも十分です。
まとめ:髪の傷みは“温度と使い方”が全て。ただし価格差はダメージに確実な影響を与える

髪の傷みの最大要因は 温度・熱ムラ・摩擦
高価格帯はこれらを抑える設計がされている
同じ温度設定でも「実際のダメージ」は変わる
ヘアアイロン選び=美髪の維持に直結
高価格帯は“長期の髪の健康+仕上がり”に大きく差が出る
仕上がりの質や髪の健康を考えると、
“正確な温度で少ない回数で決められるヘアアイロン”が最強です。
そして、それを実現しやすいのが高価格帯ヘアアイロン。
ただし、正しい知識と使い方があれば、
ミドル価格機でも美髪は十分に守れます。
参考記事一覧
本文内に掲載した参考記事を、一覧としてまとめておりますので是非参考にしてみてください。