「特別なことは何もしていないのに、最近髪がパサつく」「季節によって髪質が変わる気がする」
そんな疑問を持つ方は非常に多いです。
結論からお伝えすると、**普通に生活しているだけでも、髪が傷みやすいのは圧倒的に「夏」**です。
本記事では、夏と冬で髪が受けるダメージの違いを、毛髪構造・頭皮環境の観点から専門的に解説します。
結論|何もしていなくても髪が傷むのは「夏」

海やプール、アウトドアなどの特別なレジャーをしていなくても、
日常生活レベルで最も髪にダメージが蓄積するのは夏です。
その理由は、髪の内部構造を壊す要因が夏に集中しているからです。
夏に髪が傷みやすい3つの専門的理由

紫外線によるキューティクル破壊と内部タンパク変性
夏の紫外線(UV-A・UV-B)は、肌だけでなく髪にも大きな影響を与えます。
キューティクルの剥離・欠損
毛髪内部タンパク(ケラチン)の変性
メラニン色素の分解による退色・乾燥
これらは一度起きると元に戻らない構造ダメージです。
特に分け目・トップ・毛先は、毎日無防備に紫外線を浴び続けるため、
自覚がないままダメージが蓄積していきます。
▶ 紫外線ダメージと乾燥の関係については
**「紫外線が髪と頭皮に与える5つのリスク」**の記事でも詳しく解説しています。
高温多湿による毛髪の構造疲労
夏は湿度が高く、髪は空気中の水分を吸収しやすくなります。
濡れる → 髪が膨張
乾く → 髪が収縮
この膨張と収縮の繰り返しが、キューティクルに大きな負担をかけます。
結果として、
表面がザラつく
指通りが悪くなる
広がりやすくなる
といった症状が現れます。
これは**乾燥とは異なる「構造疲労ダメージ」**で、トリートメントだけでは改善しにくいのが特徴です。
夏の頭皮環境悪化が「未来の髪」を傷める
夏は汗や皮脂分泌が活発になり、頭皮環境が乱れやすい季節です。
皮脂の酸化
雑菌の繁殖
毛穴詰まり
炎症による血行不良
これらは今生えている髪ではなく、これから生えてくる髪の質を低下させます。
「最近、髪が細くなった気がする」
「ハリコシがなくなった」
と感じる方は、夏の頭皮ダメージが原因の可能性が高いです。
▶ 頭皮ケアとヘアケアの違いについては
**「頭皮ケアシャンプーとダメージケアシャンプーの違い」**の記事で詳しく解説しています。
冬の髪ダメージは「質」が違う

冬にもダメージ要因は存在します。
空気の乾燥
暖房による水分蒸発
静電気
マフラーやコートによる摩擦
ただし冬のダメージは、
表面的
一時的
保湿ケアで回復しやすい
という特徴があります。
つまり、構造破壊レベルの深刻なダメージは夏ほど起こりません。
夏と冬のダメージ比較(専門家目線)
| 季節 | 主なダメージ要因 | ダメージの深さ |
|---|---|---|
| 夏 | 紫外線・酸化・構造破壊 | 非常に深い |
| 冬 | 乾燥・静電気・摩擦 | 比較的浅い |
冬のパサつきは「夏ダメージの後遺症」

美容室でよくあるのが、
「冬になってから急に髪がパサついた」
というご相談です。
しかし実際には、
原因は夏に受けた紫外線・構造ダメージが秋冬に表面化しているケースがほとんどです。
つまり、
夏のケア不足
→ 秋冬に質感悪化
→ ダメージ毛が定着
という流れです。
美容師・毛髪診断士としての最終結論

普通に生活していても、髪が最も傷むのは夏
夏のダメージは見えにくく、蓄積型
冬のトラブルは「夏の結果」であることが多い
だからこそ、
髪を本気で綺麗にしたい人ほど夏のケアが重要です。
▶ 夏ダメージを最小限に抑える正しいホームケア方法は
**「夏の紫外線ダメージ対策方法」**をご覧ください。
監修・執筆
20年以上・2000人以上を担当する美容師/毛髪診断士
髪質・頭皮・エイジング毛まで専門的に診断し、本質的な改善を提案しています。