髪のケアには欠かせない「トリートメント」。
実は、**“インバストリートメント”と“アウトバストリートメント”**では、目的も効果も大きく違うことをご存じですか?
この記事では、美容師×毛髪診断士の視点から、両者の役割や作用の違い、どちらを優先すべきかまでを徹底的に解説します。
あなたの髪質に合った最適なケア方法がきっと見つかります。
インバストリートメントとは?目的と効果

● インバストリートメントの目的
インバストリートメント(洗い流すタイプ)は、髪の内部補修・深層保湿・キューティクルの整えが目的です。
シャンプー後に行うことで、開いたキューティクルから栄養を内部に浸透させ、ダメージを補修します。
● 主な配合成分
加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン(タンパク質補修)
セラミド・CMC成分(内部の脂質補充)
ポリクオタニウム類(静電気防止・滑らかさ向上)
高分子シリコーン・エモリエントオイル(保護・ツヤ出し)
● 期待できる効果
カラーやパーマで失われたタンパク質を補う
髪の内部からうるおいを与える
指通りの改善・まとまり感アップ
傷んだ毛先の補修とツヤの回復
洗い流すタイプのトリートメントは、髪の内部構造(コルテックス)を補修する役割を持ちます。
週1〜3回の使用が理想的です。
アウトバストリートメントとは?目的と効果

● アウトバストリートメントの目的
アウトバストリートメント(洗い流さないタイプ)は、髪の表面を保護し、日常の摩擦や熱ダメージから守ることが目的です。
ドライヤー前や朝のスタイリング前に使用することで、ツヤと滑らかさを保ちます。
● 主な配合成分
ジメチコン・フェニルシリコーン(ツヤ・摩擦防止)
軽質オイル(アルガン・ホホバ・ヒマワリなど)
ヒートプロテクト成分(熱ダメージ防御)
保湿成分(グリセリン・PCAなど)
● 期待できる効果
ドライヤーやアイロンの熱から髪を守る
パサつきを抑えてまとまりをキープ
紫外線や湿気からの保護
ツヤと柔らかさを与える
アウトバストリートメントは「髪の表面のバリア」。
毎日のケアに取り入れることで、摩擦や熱によるダメージを防ぐことができます。
インバスとアウトバスの違いを徹底比較
| 項目 | インバストリートメント | アウトバストリートメント |
|---|---|---|
| タイプ | 洗い流すタイプ | 洗い流さないタイプ |
| 主な目的 | 髪内部の補修・保湿 | 表面の保護・熱ダメージ防止 |
| 使用タイミング | シャンプー後・お風呂の中 | タオルドライ後・スタイリング前 |
| 成分 | 高分子タンパク質・セラミド・油剤 | シリコーン・軽質オイル・保護ポリマー |
| 効果の持続性 | 内部補修で中〜長期的 | 表面保護で短〜中期的 |
| 髪質との相性 | ダメージ毛・乾燥毛に◎ | 細毛・クセ毛・熱スタイリング派に◎ |
どちらを優先するべき?髪質別のおすすめ

● 細い髪・ボリュームが出にくい人
軽めのアウトバストリートメントを優先。
インバスは週1回程度、重くならない処方を。
● カラー・ブリーチ・パーマで傷んでいる人
インバストリートメントを最優先。
内部補修でハリコシを取り戻した後、アウトバスで保護。
● 乾燥・広がりやすい髪
両方併用がベスト。
インバスでうるおいを入れ、アウトバスで逃がさない。
● 薄毛・軟毛・スカルプケア重視の人
頭皮につけないように注意。
根元は軽いアウトバスを毛先中心に使用。
インバストリートメントとアウトバストリートメントの正しい使い方

● インバストリートメントの使い方
シャンプー後、水気をしっかり切る
毛先中心にトリートメントを塗布
3〜10分放置(蒸しタオルで加温すると◎)
ぬるま湯で丁寧に洗い流す
● アウトバストリートメントの使い方
タオルドライ後、毛先中心に少量なじませる
ドライヤーで中温ブロー
乾いた後、必要に応じて追加でツヤ出し
インバスで“内部補修”、アウトバスで“表面保護”という意識で使い分けることが、美髪づくりの鍵です。
注意点とよくある誤解
アウトバスだけでケアは不十分:内部補修はインバスでしかできません。
インバスのつけすぎは重くなる:特に細い髪は、週1〜2回の使用がおすすめ。
プロテイン過多はゴワつきの原因:タンパク質系を使いすぎないよう注意。
頭皮には塗布しない:毛穴詰まりやかゆみの原因になります。
髪の状態別おすすめケアルーティン
● 細毛・軟毛
毎日:軽いアウトバス(ミルクタイプ)
週1:インバスで集中補修
● ダメージ毛・ブリーチ毛
毎回:インバスで補修+アウトバスで保護
週2〜3回:集中トリートメント+加温ケア
● 乾燥毛・くせ毛
毎回:インバス保湿+アウトバスで湿度コントロール
就寝前:毛先に軽くアウトバスで保湿
まとめ|美髪を育てるなら「内部+外部」のWケアが鍵

インバストリートメントとアウトバストリートメントは、
どちらが優れているというよりも「役割が違うから両方必要」です。
髪の内部補修 → インバス
髪の表面保護 → アウトバス
この2つを正しく組み合わせることで、サロン帰りのようなツヤと手触りが自宅でも再現できます。
毎日のケアを少し工夫するだけで、髪は確実に変わります。
💡 美容師×毛髪診断士からのアドバイス
「時間がないときほど、アウトバストリートメントだけでもOK。
でも、週に一度は“お風呂でのインバストリートメントタイム”をつくってください。
内部補修が整ってこそ、外部ケアが生きてきます。」
\あなたの髪に合ったケアを知りたい方へ/
髪質診断やトリートメントの選び方など、サロンでは一人一人に合わせて丁寧にカウンセリングを行っています。
気になる方はお気軽にご相談ください。
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