近代の人々の生活は忙しく、時間に追われながら一日を過ごしている傾向にあります。
夜中まで仕事や勉強をしたり、意味もなく夜更かしをしたり。
私たちはついつい睡眠の時間を後回しにしがちです。
しかし、その睡眠をとる事こそが「とても身体に良い事」なのです。
今回は、睡眠時間の見直しをする事で、簡単に痩せることが出来る『睡眠ダイエット』についてご紹介します。
睡眠時間が短いと引き起こす悪影響
睡眠不足による髪への影響
栄養成分は血管を通って頭皮に届き、髪の毛へと変わっていきます。
毛根は頭皮で髪の毛を作る部分ですが、充分な睡眠がなければ働くことが出来ません。
睡眠不足になると、体中の血管が収縮します。
寝不足で頭がボーっとするのは、そのせいです。
つまり、頭に血がいっていない状態なわけで、もちろん頭皮に流れる血も不足しています。
結果として、毛根は活動を低下させてしまうのです。
タンパク質やアミノ酸、それを補うビタミンなどを沢山取って、ヘアケアシャンプーを使ったりしても、毛根自体が動かなければ、枝毛や切れ毛を補うような髪の毛が後から生えてくることはありません。
睡眠不足による美容への影響
深い睡眠時に分泌されるのが『成長ホルモン』。
成長ホルモンには肌のターンオーバーを促す働きがあります。
新陳代謝が良くなるので肌荒れなどが改善され、美容効果が期待できます。
特に22時~2時までは「肌のゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯なので、それまでに深い眠りに入ると、肌のハリやツヤ、肌の保湿や血色が良くなるなどの効果があります。
そのため、睡眠不足だと成長ホルモンの分泌が減ってしまうので、肌がボロボロになってしまいます。
睡眠不足による脳への影響
睡眠の大きな役割が「脳の休息」を行うこと。
睡眠不足が続くと、思考や認知をつかさどる脳の機能が低下し、「思考力」や「認知力」「集中力」が鈍り、頭がボーっとしてしまいます。
また、睡眠不足だと「アルツハイマー型認知症の元凶となる物質」が取り除かれず脳内に蓄積されてしまい、発症リスクが高くなることが分かっています。
睡眠不足による健康への影響
もう一つの睡眠の大きな役割は「身体のメンテナンス」を行うこと。
睡眠中は体の中で様々なホルモンが分泌され、起きている間に傷ついた「細胞の修復や疲労回復」「体の成長」が行われています。
睡眠不足が続くと免疫力が低下し、様々な病気の発症リスクが高くなります。
・「循環機能障害」
高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞
・「脳機能障害」
記憶障害、アルツハイマー認知症
・「免疫機能障害」
アトピー性皮膚炎、アレルギー、癌
・「脂質代謝機能障害」
肥満、タイプⅡ型糖尿病、高脂血症
・「その他」
機能性便秘、鬱
睡眠不足で太る原因
食欲は満腹感を伝え、食欲を抑えてくれるホルモン「レプチン」と、食欲を増加させるホルモン「グレリン」によって、コントロールされています。
通常、お腹が空くと「グレリン」が分泌され食欲が高まり、食事が進むと「レプチン」が分泌され満腹感から食欲がおさまります。
しかし、睡眠不足の場合は、空腹かどうかに関わらず「レプチン」が少なく「グレリン」が多い状態になることが分かっています。
そのため、エネルギー補給が必要ない時でも「グレリン」により食欲が刺激され、本来は不必要な食欲にコントロールされるのです。
このため、遅くまで起きていると、ついつい夜中に食べ過ぎたり、おやつを食べたくなるのです。
また、正しく深い睡眠がとれると、成長ホルモンが分泌されて、代謝が良くなり、睡眠中の「脂肪燃焼」を促進してくれるので、約300キロカロリーものエネルギーが消費されます。
寝不足だと90キロカロリーもダウンしてしまい、脂肪も蓄積されてしまうので、しっかり睡眠をとり、カロリーを消費しましょう。
寝つきが悪かったり、ぐっすりと眠れないと「成長ホルモン」がうまく分泌されないので、ただ眠るだけではなく「質の良い睡眠」をとるように心がけましょう。
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寝るだけで痩せる!?睡眠ダイエットとは?
7~9時間の睡眠をとる
7~9時間の睡眠をとると「最も太りにくい」と言われています。
アメリカの大学の研究で睡眠時間が「7~9時間の人が最も肥満度が低く、5時間の人は肥満度が50%も多く、4時間以下の人は73%に昇る」という結果が出ています。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されやすいのは「22時~3時の間」だと言われています。
また、睡眠開始から3時間後に成長ホルモンが分泌されるので、最低でも「0時までには寝る」ことをおすすめします。
寝すぎると、成長ホルモンの分泌が乱れてしまうので要注意です。
寝る3時間前に食事を済ませる
正しく質の良い睡眠をとるには、お腹の中がいっぱいの状態でも、空っぽの状態でもダメだと言われています。
満腹の状態だと胃腸が活発に動き、興奮状態によりなかなか寝付けなくなり、逆に空腹の状態だと胃腸で消化するものがないため、消化で使うはずだった血液が脳にまわり、脳が目覚めて寝付けなくなります。
そのため「寝る3時間前に食事を終わせる」のがベストです。
仕事などで帰りが遅い場合は、雑炊やお茶づけなど消化の良い食べ物を選びましょう。
寝る1時間前には入浴を済ませる
入浴でお湯に浸かると血行が良くなり、体が温まります。
眠気が訪れるタイミングは、体が一度温まり、徐々に下がっていくときにあり、大体入浴後1時間がベストだと言われています。
そのため、寝る直前に入浴してしまうと眠気がこず、寝つきが悪くなるのです。
お湯の温度は約38~40度のぬるめのお湯に「最低でも10分」はゆっくりと浸かりましょう。
忙しくてお湯に浸かる時間が無い人、シャワーで済ませたい人は、40度のお湯で5~10分しっかりと浴びるようにしましょう。
質の良い睡眠をとるために
- 寝る前のカフェイン摂取を控える
- 寝る前の激しい運動は避け、ストレッチなどでリラックスしながら呼吸を整える
- 寝る1時間前はスマホやパソコンなどブルーライトの使用は避ける
- 寝具は身体に合ったものを選び、清潔に保つ
- 寝る前は暖かい飲み物を飲む
まとめ
睡眠をとることは1日の体の疲労回復と同時に精神の安定にも導きます。
最近痩せにくくなったり、疲れがなかなか取れなかったり、イライラしがちだったりしていませんか?
一度、ゆっくりと睡眠をとってみましょう。
体も心もすっきりするはずです。
今までダイエットに失敗してきた人も睡眠時間の見直しで痩せやすい体にしていきましょう!